中国から対日不動産投資をする場合、どのようなことに注意すべきでしょうか?
中日両国の違いをよく知っている当事務所ならではの観点から、最も重要かつ基本的な事項をご紹介しましょう。
土地と建物は別の不動産である
土地が国有となっている中国と異なり、日本では土地は個人や法人が所有できるものです。そして、日本では建物と建物は別の不動産です。そのため、不動産投資をする場合にも、土地と建物を区別して考える必要があります。
たとえば、購入しようとしている不動産が土地である場合、土地の上に建物がない更地であるのか、土地上に建物が建っているのか、土地上に建物が建っている場合、それぞれの所有者が一致しているのか、別々であるのか、といったことを確認する必要があります。
このことは、日本人にとっては当たり前のことですが、中国人の方にとっては、国の制度が異なり、慣れていないため、意識しておくことが必要です。
不動産の所有者を確認する
日本では、不動産について「公示制度」が取られており、不動産の登記情報を調べることができます。不動産の登記情報を調べると、所有者に関する情報を確認することができます。不動産の登記情報は、日本の法律事務所に依頼をすれば調査をすることができます。
これも日本人にとっては当たり前のことなのですが、中国では、日本のような公示制度がないため、購入しようとする不動産の登記情報を調査する、ということ自体を中国人の方は考えつかないというケースが散見されます。そのため、登記情報を確認しないまま、高額な不動産投資をしてしまう場合がありますが、これは非常にリスクの高いことです。
対日不動産投資に先立ち、登記情報で不動産の所有者に関する情報を確認するのは必須といえます。
不動産の抵当権に関する情報を確認する
不動産には担保として抵当権がついていることがよくあります。抵当権がついているか否かにより、不動産の取引契約をする場合の手続きや流れ、値段の決め方も違います。したがって、対日不動産投資に先立ち、抵当権に関する情報を確認することも絶対に必要です。
不動産の価格に注意する
不動産に関する知識や情報をきちんと把握できていないため、実際にはまともに使うことができず、全く価値のないゴミのような土地を、中国人の方が高い値段で買ってしまうというケースがあります。
当然のことではありますが、対日不動産投資に先立ち、不動産価格に関係する最低限の情報を調査しておくことも極めて重要です。